サイバー攻撃から企業を守る:最新動向とセキュリティ診断

近年、サイバー攻撃の手法はますます巧妙化し、企業にとって大きな脅威となっています。
今年6月にも大手出版企業が甚大な被害を受けていたことが明らかになっています。最初はデータの暗号化が主な被害でしたが、その後、ハッカー集団によるデータの公開・個人情報の流出なども大きな問題となっています。
情報セキュリティ脅威に対処するためには、従来の防御策では不十分であり、多層防御と「侵入前提」の対策が不可欠です。

目次

ランサムウェア、猛威を振るう

情報処理推進機構(IPA)が公開している「情報セキュリティ10大脅威2024」によると、組織に対してのセキュリティ脅威は1位から「ランサムウェアによる被害」「サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃」「内部府政による情報漏えい等の被害」と続いています。1位の「ランサムウェアによる被害」はここ数年間ずっと1位に入っています。

情報セキュリティ10大脅威

警察庁の『サイバー空間をめぐる脅威の情勢等』によると、2024年上半期における企業・団体へのランサムウェア攻撃による被害報告件数は114件と、非常に高い水準で推移しています。この数は、ランサムウェア被害が急増した2022年上半期と同等であり、以降も高い水準で推移していることを示しています。

さらに、近年では、従来のファイル暗号化による身代金要求に加え、「ノーウェアランサム」と呼ばれる新たな手口も出現しています。この手口では、攻撃者はデータを暗号化せずに盗み出し、そのデータを公開すると脅迫することで、金銭を要求してきます。

防御と対策

日々、手段が変化するサイバー攻撃ですが、具体的にどのような対策をとる必要があるのでしょうか。ポイントは「多層防御」と「侵入前提の対策」です。

ネットワークの入口だけでなく、内部システムやエンドポイントなど、あらゆる層でセキュリティ対策を施すことで、侵入を困難にします。また、侵入を前提とした対策も重要です。異常なアクセスの検知や、暗号化されたデータの復旧策を事前に準備することで、被害を最小限に抑えることができます。

現状把握と管理

社内のネットワーク、機器、ソフトウェア等、どのように把握されているでしょうか。多様な機器とソフトウェア、そのうえ、自宅やカフェ、サテライトオフィスといった、働く場所が多様化したことにより、小型化・軽量化された機器が増えました。盗難や小さいメディアなどの紛失リスクも高まります。これらの使用状況を把握・管理し、適切なセキュリティ対策を行う必要があります。

攻撃を防御する

サイバー攻撃は多様化しており、一つ対策すればよい、というものではありません。端多くの人はウイルス対策ソフトなどをイメージされることと思います。基本的な対策としては、そうしたソフトの使用や、身に覚えのないメールやリンク、添付ファイルを開かない、セキュリティ上の懸念があるサイトには接続しない、などの対策があげられます。

侵入を検知する

どれだけ厳重な体制をとっていても「100%」ウイルスや悪意のある接続を防ぐことはできません。

そのため、次の段階のセキュリティ対策としては「万が一インシデントが発生したとしてもいち早くそれを認識する」ことが重要であるといえます。

被害に対応する

対策をとっていたとしても、感染してしまう可能性はあります。その際には被害を最小限に食い止める対策をとりましょう。

正常に復旧する

攻撃や感染を検知し、対応した後はこれまで通り、復旧を行う必要があります。データのバックアップや様々なパターンでの想定をしておくことで、事業活動継続への影響を最小限に抑えることができます。

セキュリティ診断で現状を把握

自社のセキュリティ対策が十分なされているのか、見直しは重要です。サイバー攻撃は日々巧妙化しており、いつどこで被害に遭うかわかりません。定期的なセキュリティ診断は、潜在的な脆弱性を早期発見し、被害を未然に防ぐための最善策です。

当社では簡易的なセキュリティ診断をご案内しています。対策が必要なポイントを見極め、設備更改の予定にセキュリティ対策を加えていきませんか。

 

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まとめ

今回はサイバー攻撃に対するセキュリティ対策についてまとめました。近年、サイバー攻撃による被害額は膨大化しており、企業にとって大きなリスクとなっています。ハードウェア・ソフトウェアの対策だけでなく、情報漏えいやシステム障害など、サイバー攻撃によって生じた損害を補償するサイバー保険などの備えも必要かもしれません。ただし、ランサムウェアの身代金や、詐欺で振り込んでしまったお金は補償の対象外となるサービスも多いので、やはりバランスよく、様々なポイントから防御することが必要ですね。

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