IP?クラウド?色々な種類のPBXを比較してみました。㊮

電話(会話)は必須のコミュニケーション手段です。それに伴い企業にとってPBXも欠かせないコミュニケーションツールです。しかし、昨今では一口にPBXと言っても様々な種類があり、機能や提供形態も様々。
さらにはスマートフォンの普及やクラウドサービスの拡大によって大きな変化が訪れていると言えます。今回は大きく4種類に分類したPBXについて、それぞれの特色や性能・機能の比較をしてみたいと思います!またそれぞれの項目を比較し一覧にした「電話システム比較表」がダウンロードできますので、「まとめて見たい!」「一覧で比較したい!」という方はぜひダウンロードしてみてください。
IP?クラウド?色々な種類のPBXを比較してみました。

目次

PBXとは?

まずはじめに毎度おなじみ「PBXとは」について簡単に説明します。PBXとは「Private Branch eXchange」の略で「構内交換機」と呼ばれています。

主な機能として、外線電話・内線電話の発着信、拠点間同士の発着信を行えます。他にも不在転送や話中転送などの転送機能やパーク保留機能(PBXに繋がったどの電話機でも保留を解除できる機能)を使うことができます。

 

今回ご紹介するPBXは4種類。
レガシーPBX、IP-PBX、クラウドPBX、そして番外編のキャリアFMC連動です。
過去にも一部紹介しておりますが、今回はその機能やポジティブポイント、ネガティブポイントなどを紹介しています。

レガシーPBX

レガシーPBX構成例
※構成はイメージ

『レガシーPBX』とはPBXの中で最も古いタイプのPBXです。電話回線で各機器を繋いで電話システムを構築しています。特徴としては、1890年からありシステムとして成熟しているので安定した運用ができます。ですがオフィスの模様替えやレイアウト変更の際には機器の移動作業や再設定が必要になります。

システム概要

レガシー電話(アナログ電話機、アナログ多機能電話機)やPHSが主となる構成

ランニングコストが抑えたい、安定した運用を行いたいといったニーズに応える最もオーソドックスな構成です。
逆に言うと古くからある構成なので最新設備を導入したい、スマートフォンなどのモバイル端末を活用したいといったことは不得手です。

イニシャルコストはハードウェアとその構築費用分かかってきます。ランニングコストは主に通話の通信料、PHSやPBXの保守・点検費などで、今回比較する中では安価な部類と言えます。

ポジティブポイント

すでに利用している場合は運用変更が少なく現場が混乱しにくい点、既存配線(電話配線)が流用できる点などがあります。
また、停電直通電話機や停電時のバッテリー稼働など、BCPにおける優位なポイントを兼ね揃えています。

ネガティブポイント

ネガティブポイントとしては、大きく運用を変えたい場合には当然ながら向きません。特に昨今の情勢や働き方改革が叫ばれる中においてはテレワークやサテライトワーク、モバイル活用といったことができない点が弱点と言えるでしょう。

IP-PBX

IP-PBX構成例
※構成はイメージ

『IP-PBX』とは、主にLANケーブルで各装置を繋いで電話システムを構築しているタイプのPBXです。特徴としては、ネットワークを使うためネットワークに繋がる端末を幅広く使うことができます。ですがネットワーク機器が止まってしまった場合システム自体が止まってしまいます。

 

システム概要

IP電話機、スマートフォン内線といったLAN接続機器が中心となる構成

レガシーPBXでは電話を接続する際に電話配線を使用していたのに対して、IP-PBXではその名の通りIP網を利用した交換機となり、端末もIP端末となります。
無線LAN環境を整備すればその中でスマートフォンを利活用することもできます。

ポジティブポイント

ポジティブポイントとしてはやはりスマートフォンが利活用できる点が大きいでしょう。
共有電話帳を全社員で利用したり、連動できるスマートフォンアプリケーションを使用して業務効率化が図れる可能性があります。
また、IP-PBXもレガシーPBXと同様、停電直通電話機や内蔵バッテリーによりBCPへの備えもしっかりしています。

ネガティブポイント

スイッチや無線LANは停電時には全て使えなくなってしまうため、別途UPS(無停電電源装置)を設置するなどの停電対策が必要です。
固定電話の台数や無線LANアクセスポイントが多いほど、インフラを維持する場合にコストがかかってきます。
スマートフォンのアップデートや業務アプリケーションのアップデートなど、端末の管理運用コストも大きくなってくるでしょう。

クラウドPBX

クラウドPBX構成例
※構成はイメージ

『クラウドPBX』とは今までは施設内に設置していたPBXをクラウド上のサーバーで利用可能にしたものです。インターネットに繋がれば利用ができるので従来のPBXのようにハードウェアを設置する必要がありません。クラウドPBXはプライベートクラウド、パブリッククラウドと2種類に分けられます。

システム概要

PBXがクラウド上にあり、IP電話機とスマートフォンを主とする構成
近年で普及し始めた、手元にPBXの本体を置かない(資産として持たない)点が最大のメリットとなる構成です。

ポジティブポイント

PBX本体のメンテナンスは基本的に不要(サービス側での対応)です。
簡単な設定変更はWEBから可能なので利用者にて設定することも可能です。
また、PBX本体がクラウド上にあるためBCPの面では(利用するサービスにもよりますが)非常に有利です。

ネガティブポイント

しかしながらネガティブポイントもあります。
イニシャルコストが非常に低いというイメージがあるかもしれませんが、実は端末以外にもネットワーク機器がいくつか必要になるケースが多く、固定電話も必要な場合LAN配線やスイッチなどの機器も必要となるケースがほとんどです。
またランニングコストとしてはサブスクリプション形式のサービスがほとんどで月額、年額といった形のライセンス料、インターネット回線やサービスによってはクラウドサービスに利用料などがかかってきます。
当然ながらスマートフォンの管理コスト(本体やアプリケーションのアップデートや端末管理など)もかかってきますのできちんと管理・運用できるかどうかも検討が必要です。

 

キャリアFMC+PBX

PBX+FMC構成例
※構成はイメージ

キャリアFMCとはスマートフォンやフィーチャーフォンとPBXを連動させ、内線電話のようにモバイル端末を運用できる仕組みです。
社内連絡、社外連絡共にモバイル端末で完結できるため便利ですが、キャリア契約やPBX種類が限定されるなど制約もあります。

システム概要

PBXに音声GWを接続しキャリア網を接続することでモバイル端末を内線電話のように利用する構成
スマートフォンだけでなくフィーチャーフォンも利用でき、通常の携帯電話としても利用できます。

ポジティブポイント

携帯電話網及び固定電話のため音質面でメリットがあります。すでに導入済みのPBXと連携できる場合にはコストメリットもあります。

ネガティブポイント

条件として、携帯キャリアの統一が必要であり、またFMCサービスに対応していないPBXの場合には本体ごとリプレースが必要となります。

まとめ

今回はPBXの比較を行いました。
技術進歩が目覚ましい現代においてPBXも進化し変化しています。
今回比較した構成以外もたくさんの運用方法があります。また、ポジティブポイント・ネガティブポイントについても他にも多数の意見があると思います。
大切なのは自社の運用に照らし合わせて最適なものを選ぶことです。
判断ができない、難しいという場合はぜひ当社までご相談下さい。

IP?クラウド?色々な種類のPBXを比較してみました。

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