ZEBとは?省エネだけでは作り出せない新たな建物の進化

近年の異常気象や温暖化でSDGsやカーボンニュートラルなどをよく耳にすると思います。とはいえ何から始めればいいのでしょうか。
そこで注目されているのが『ZEB』(ゼブ)です。今回は『ZEB』について詳しく解説していきます。

目次

『ZEB』(ゼブ)とは

『ZEB』(ゼブ)とは、「Zero Energy Building」の略語です。

建物が消費するエネルギーをゼロにすることを目指した建物のことを言います。

しかしビルの消費エネルギーをゼロにすることは不可能です。

 

そこでビルでの消費エネルギーを減らす「省エネルギー」とエネルギーを作り出す「創エネルギー」を組み合わせることでビルでの消費エネルギーをゼロにすることができます。

省エネ+創エネ=消費エネルギー0

『ZEB』のメリット

光熱費の削減

ZEBになることでビル全体の消費エネルギーの削減・節約になり、光熱費の大幅な削減になります。

事業継続計画(BCP)

内閣府の調べでは、2011年に発生した東日本大震災で“重要業務が停止した理由でもっとも多かった答え”が「停電のため」などインフラ関係の答えだったそうです。このようにインフラの停止が業務の継続に大きく関わっていることがわかります。

ZEBでは創エネによってエネルギーを作り出すことができるため、インフラが止まることがない災害に強い建物にすることができます。

不動産価値の向上

近年民間企業でも事業計画にSDGs(持続可能な開発目標)を組み込む企業が増えております。取り組むことで企業のイメージ・価値に直結します。他にも世界の投資家が投資の基準にしているESG、企業の気候変動への取り組み・温室効果ガスの排出量等の質問についてスコアリングを行うCDP、GRESBやCASBEEなどの指標があります。このような企業・建物に対する環境評価が建物の価値にも繋がってきます。

『ZEB』の4ステップ

いざZEB化を始めようにも、いきなり消費エネルギーをゼロにすることは不可能です。そこでZEBに4つのステップがあります。

ZEB Oriented(ゼブ オリエンテッド)

第1ステップのZEB Orientedでは「延べ面積10,000㎡以上の建物」を対象に「一次エネルギー消費量を30~40%以上削減する」及び「未評価技術を導入すること」の2つが判断基準になっています。

一次エネルギー消費量の基準は建物ごとに異なります。事務所や工場・学校などの建物は40%以上、ホテル・病院・百貨店・飲食店・集会所などの建物は30%以上の削減となっています。

延べ面積が10,000㎡の建物は新築での着工率は1%と少ないものの、規模別におけるエネルギー消費量では全体の36%にもなるため、ZEB Orientedが進むことで大きな影響が望めます。

 

ZEB Oriented
ZEB Ready(ゼブ レディ)

第2ステップのZEB Readyでは「一次エネルギー消費量を50%削減する」ことが判断基準です。

ZEB Readyでは「省エネ」を進める必要があります。省エネといっても節電だけでは50%削減を達成するのは難しいでしょう。アクティブ技術やパッシブ技術を活用することが推奨されています。

 

ZEB Ready
Nearly ZEB(ニアリー セブ)

第3ステップのNearly ZEBでは「一次エネルギー消費量を50%削減する」及び「再生可能エネルギーを含み一次エネルギー消費量を75%以上削減する」ことが判断基準です。

Nearly ZEBでは「創エネ」が判断基準として登場します。省エネと創エネを組み合わせて75%以上の削減が必要になってきます。創エネでは太陽光パネル等を用いて創エネをおこなう必要があります。

 

Nearly ZEB
『ZEB』

最終ステップの『ZEB』では「一次エネルギー消費量を50%削減する」及び「再生可能エネルギーを含み一次エネルギー消費量を100%以上削減する」ことが判断基準です。

『ZEB』ではこれまでの「省エネ」と「創エネ」を組み合わせて正味100%の削減が必要です。

 

『ZEB』

『ZEB』を実現する最新技術

パッシブ制御

パッシブ技術とは、太陽光や風等の自然エネルギーの活用によって消費エネルギーを減らす技術です。太陽光を利用して室内照明の消費エネルギーを減らす「自然採光」などがあります。

アクティブ制御

アクティブ技術とは、エネルギーを効率よく使う技術です。タイムスケジュールによる点灯や照明制御、センサーにより自動調光制御・自動調光・点灯などがあります。

まとめ

今回はZEBについてご紹介いたしました。

ZEBとは、Zero Energy Buildingの略で、省エネ・創エネを組み合わせることでエネルギー消費が0の建物を指します。

 

皆様もZEB ReadyやZEB Orientedから検討してみてはいかがでしょうか。

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